稲田マン22歳(1)「さよなら どうしようもない日々よ」

あの頃の僕は、今の僕を見てどう思うかな?
馬鹿にされたりしないだろうか。
努力など何の意味もないと
失望させてしまうかもしれない。
ただ、一つだけ胸を張って言える事がある。
あの頃と同じ、いや、それ以上かもしれない。
ギターへの情熱は全く変わらないと。
胸を張って言える。
はじめてギターを手にしたあの日から
情熱は今も…。
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「さよなら どうしようもない日々よ」
ガトンゴトン(*_*)
ガトンゴトン(*_*)
始発に揺れながら、ミナミを後にする
稲田マン。
あれから、ナミちゃんと四角公園でたこ焼きを食べて、そのまま夜の街に消えたとゆう。
友達は?
勝手にやっとるやろ。
女の子二人、奴ら二人やねんし。
そうか(*_*)後でカラオケ代払わないかんわ。ナミちゃんの分も。
その辺はちゃんとしている稲田マン。
始発、誰も乗ってねー(^◇^;)
ふー(*_*)今日は水曜日か。
帰ってすぐ仕事やな(*_*)
ガタンゴトン
ガタンゴトン
僕はお家に着き、シャワー浴びて
仕事場へGOGO。
そんなテンションでもないが。
AM7:45
自宅を出ました。おとうちゃん、おかあちゃん、六つ下の弟の四人家族。
おかんには朝帰りについていろいろ言われましたが、右から左。
ふー(*_*)めちゃ眠いし。
ルルルー
ん?
携帯が鳴りました。
僕は愛車ファルコン(ママチャリ)から降り、携帯電話をツナギのポッケから取り出しました。
ポク「もしもし(^◇^;)」
さっち「おはよー(ー ー;)昨日、どこに行ってたん!電話でーへんし!!」
ポク「おっおう(*_*)愛しのさっちやないか。」
さっち「キモい(ー ー;)愛しのさっちとか。どこ行ってたん!?」
ミナミでどうのこうのゆうたら殺されるやろうなー。
【さっち】
彼女であります。
4つ下の高校三年生。
当時の今時の娘な感じの娘。
ルーズソックスに日サロ的な。
僕も日サロ行きまくりでしたが。
今でゆうたら、E-girlsのAmi的な系列のお顔。身長は僕より高いとゆう。
ポク「悪い(*_*)にっしんの家にいてたよ。」
さっち「…(ー ー;)まぁええわ。そっちに7時半に行く。ガチャ。ツーツー。」
ポク「怒ってる(*_*)。」
今日はさっちとデートか(*_*)
寝てねー。
続きますです。
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第2話
ウォーン
近くの小学校のサイレンが鳴り響きました。
お昼を知らせる音。
僕は、車の修理工場から2分ぐらいのコンビニに昼御飯を買いに→。
ウィーン
自動ドアが開き、冷気が僕の身体を包みました。
まだまだ残暑が厳しい9月初旬。
僕は、いつものサンドイッチと微糖のコーヒーを買い、工場に戻りました。
工場の中は、夏は暑くて冬は寒い。
真夏なんて、外の方が涼しいくらい。
僕は工場の入り口にあるお客様専用のベンチに腰掛けてコンビニの袋を開きました。
げっ(*_*)
タバコ買うの忘れてるわ。。
社長「稲ちゃん?事務所で食べーやー^_^」
社長が出てきました。
工場の中に事務所がありまして、そこはクーラー効いています。
【和嶋社長】
和嶋自動車の社長
嫁さんが、事務をやっています。
嫁さんのお父さんが整備をしています。
社長は基本的に外回り。
常に酒を呑んでいます。
常にです。
今も缶チューハイ片手であります。
ポク「はい。どうもです。」
僕は、残暑の中にある小さい秋を感じたいからわざわざ外で食べるのさ。
僕はミックスサンドを一口食べました。
まだまだ真っ青の空を見上げて、深いため息をつきました。
ふー(*_*)
別にやりたい事もないし、なりたいものもない。なーんにもない。
ただただ朝起きて、仕事して、帰って、友達と遊んで、彼女と遊んで、また仕事して、また友達と遊んで。
そんなもんでしょ?
不満なんかあるわけない。
これが普通。
みーんなそんな感じでしょ。
昼から、二台ほど車検に行き、五時半に家に帰りました。
7時半やったかな。地元の駅まで迎えにいかなあかんわ。さっちを。
僕は三階の自分の部屋へ。
向かいが弟の部屋。
最近、ギターをはじめたのか、GLAYの
BELOVEDのイントロばかり聞こえてきます。必ず同じとこで引っかかってる感じ。
てゆうか、うるさいだけやし。
つーづーく。
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第3話
パラパラを大音量で流しながら、さっちとドライブNOW。
我が愛車シボレーアストロ
保険やらなんやらで、月の支払いが10万ぐらいになっていました。
さっちは横でかなり不機嫌NOW。
さっちに会う前に、にっしんから電話がありまして。
口裏を合わせるようにと。
実はにっしんの彼女はさっちの親友であります。
ミナミでさっちとにっしんの彼女である
涼ちんをナンパしたのが事の始まりであります。
とりあえず、にっしんもかなり問い詰められたみたい。
【にっしんの嘘ストーリー】
ミナミでカラオケをしていた。
稲田と二人でカラオケをしていた。
その後、たこ焼きを食べて、夜の10時にお開きにした。
チャンチャン。
無理あるなー(*_*)
でも、涼ちんを無理矢理納得させたみたいやから、わたくしもこの幼稚園児的なストーリーでさっちを納得させなけれはならない。
僕はパラパラの音量を下げました。
ポク「さっち?怒ってるん?」
さっち「昨日何してたん??(°_°)」
ポク「いやいや(*_*)昨日はにっしんとカラオケや。ミナミで。すぐバイバイしたよ。」
さっち「…。。」
ポク「ほんまやって。」
さっち「何時帰った?」
ポク「なっ何時やったかなー(*_*)10時まわってたんかなー。」
さっち「…。ふーん(°_°)。信じたるわ。その代わり…。」
ポク「その代わり?」
さっち「私が卒業したと同時に結婚するなら許したるわ。」
キキーッ!!!
僕は急ブレーキを踏みました。
さっち「何何??」
はげしく動揺しておる稲田マン。
結婚て。ないない。
ありえないわ。
ポク「ごめんごめん(*_*)ちょっと人影が見えたもんで。[嘘]」
さっち「何?嫌なん?」
僕は中央大通りから高速に乗りました。
ポク「嫌じゃないよ(°_°)てか、まず卒業してからだね。それとわたくしの月給は20万しかないよ。この車に半分使ってるよ。」
さっち「売りーやー。」
ポク「ブッフェ(; ̄ェ ̄)」
車   10万
家に3万
携帯に1万
さっち「私も働くし。」
ポク「堪忍しておくんなせー。何でもするから。」
さっち「なんでもするん?」
ポク「はいな(°_°)」
さっち「じゃあ結婚して。」
ブッフェ(; ̄ェ ̄)
ブオーン!!
その後、アクセル全開で涙涙の湾岸線でした。
続け!
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第4話
とある日の日曜日
久々に家にいます。
リビングで愛犬【ロンドン】と戯れていると、弟が真っ赤なギターを持ってきました。
弟「腹立つっ(°_°)全然弾かれへん。」
僕は苛立つ弟を尻目に、ロンドンの頭をナデナデ。
弟「GLAY歌える?」
ポク「GLAY、あんましやなー。ラルクやったらヘビロテやが。」
弟「そっちかー。てゆうか、BELOVEDのイントロが全く弾かれへん。」
ポク「いつも一緒のとこでミスってるもんなー。」
弟「まだ一曲しか弾かれへんわ。スピッツの空も飛べるはず^_^」
ポク「バラバラやなー^^;。スピッツとGLAYて。」
ワン!
真っ赤なギターが物珍しいのか、ロンドンが興味津々。
弟「スピッツの空も飛べるはずのイントロやったるわ。」
弟はそう言うと、奏ではじめました。
ジャラジャジャーンジャジャーン
(°_°)
確かにそれっぽいけど^^;
弟「これでも難しいねんぞ!一回やってみろや。」
その瞬間からです。
弟から真っ赤なヤマハのアコギを手にしたその時からです。
僕のギター道がはじまりました。
イナズマが走るような衝撃でも、大地を揺るがすようなものでもない、上手く言えないが、母親のお腹の中にいた時のような。
もちろん、そんな記憶はないのですが、そんな感覚。
そこから2時間弾きまくり。
弟「てゆうか、返してくれへん?^^;」
ポク「もうちょっとで弾けるねん^^;もうちょっとや。」
弟「…。もう一台あるからそれ弾いてくれ。友達の兄貴からもらったやつや。」
ポク「おー^_^ありがとう!」
弟は自分の部屋からもう一台ギターを持ってきました。
(°_°)
ダサいf^_^;
ダサすぎる。
THEアコギ的なビジュアル。
僕は弟からそのギターを受けとり、自分の部屋へ。
ジャジャーン
ワォ(^◇^)
めちゃ楽しいー♪♪
初心者ギターマン編へ続く。

新たなる冒険が今始まる